聴覚で捉える日本語4
- studiosnz
- 2006年9月1日
- 読了時間: 2分
2006.09.01(Fri)

言語を習得するには、その言語が「現地語」として使われている場所で暮らす事が、近道だと言われています。それは、その言語を使う場所・場面が多いということ、視覚・聴覚を通して言語が入ってくるということ、様々なバリエーションでその言語に触れることができること、などが理由だと思います。 日本語の場合は、日本に行く事で子供たちは全身に日本語のシャワーを浴びる、ということになるのです。視覚のページにも書きましたが、看板・新聞・広告・本・雑誌・道路標識・スーパーのPOP・お菓子のパッケージ・テレビのスーパーインポーズなどなど、いたるところに日本語の文字があります。テレビ・ラジオ・CD・電話・学校での授業・アナウンス・周りの人々の話し声などなど、聴覚にもどんどん訴えてきます。 今回はこうした日本語のシャワーというのがテーマです。 上にも書いたように、シャワーを浴びる一番の方法は日本へ行く事です。その際に、日本の幼稚園や学校に体験入学すると、日本語の会話力・聞き取り力は飛躍的に伸びます。それだけ、触れる機会、使う機会が多いからです。 家族だけではなく、隣近所や、お店の人など、第三者と日本語で触れる機会も大切です。家の中で通じる言葉遣いだけではなく、外の人にも伝わる言葉があるということがよくわかるからです。 日本に帰国しなくても、日本語で会話できる友だちと思いっきり遊ぶ時間もシャワーと言えるでしょう。週末やホリデー中などには、そういったお友だちとの時間を設定している方も多いと思います。 コミュニケーション・ツールとしての日本語が活躍する場面を設定する事は、とても大切な事です。言葉と言う者は、使うことに意味や価値があり、使うと言う事は、他者とのコミュニケーションを指すと考えているからです。 ですから、日本語を媒介として楽しい遊びを提示すると、楽しさと日本語が結び付いて子供たちの中に残ります。それが、日本語への追求を後押しするのです。 日本へ滞在した時の楽しいできごと(たとえばおじいちゃんやおばあちゃんとの思い出、ディズニーランドで遊んだ事、七五三で着物を着てお化粧もしたこと、などなど)が日本語と結び付くので、日本から帰ってきた子どもたちは、もっと日本語ができるようになりたい!!という要求をしてきます。そして、そういう時期には飛躍的に語彙も増え、明瞭な発音で会話し、意欲的に読み書きの練習にも取り組むという黄金のリンクができます。
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